生みの親との親子関係がなくなる特別養子。相続におけるオマケもない

養子には、普通養子と特別養子とがあります。

件数から言うと普通養子が大半です。
単に養子と言えばこちらを指していると言っていいと思います。

普通養子にできる対象も幅広く認められていて、手続きも比較的簡単。

養子縁組の目的も、跡継ぎにするためや、相続人にするため、あるいは節税の手段としても使われます。

また、一端成立した養子縁組は解消することも出来ます。

相続における養子の有利な立場を紹介してきましたが、いずれもこの普通養子のことを指します。

養子のおいしい立場。相続の機会が2倍に
一人二役の相続人? 養子だけに起きるウレしい相続資格の重複

普通養子縁組は従前の親子関係に影響を与えないことが、そうした立場を生む原因です。

一方、特別養子縁組にそのようなことは起きません。

 

生みの親との親子関係がなくなる特別養子

 

特別養子縁組は子の福祉に特化した制度です。

様々な理由によって育てられなくなった子どもが家庭で養育できるようにするための制度です。

制度が出来たのもわりと新しく、1988年に施行されました。

特別養子にできる年齢は6歳まで(特例として8歳まで)。
特別養子縁組に際しては、児童相談所等が間に入り、養親と養子のマッチングを行います。
その際には養親の収入など、養育環境が審査されます。

そして、特別養子縁組が成立すると、制度の趣旨から、実の親との親子関係は消滅します。

ですから、一旦成立した特別養子縁組を解消することは、離縁することが子の福祉に適うと判断されない限り、原則としてできません。

当然、普通養子のように養子縁組によって相続機会が増えることもありませし、相続資格の重複も起きません。

元より、普通養子でさえも相続において養子であることを意識しなければならないケースはあまりないのですが、それにも増して特別養子は、養子であることを意識することは全くないと言えます。

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